第一話 アタイだって悩んでるモン!
彼女の名は
ガリガリ。
チャームポイントはそばかす(あるいはニキビ痕)と、大きな前歯(出っ歯ともいう)。
それからなんといってもぽっちゃりとした愛らしい体型(つまり小太り体型)。
ルックスに自信はないけれど、愛嬌には自信アリ。
夢はお茶の間のアイドルか演技派女優。可愛いだけのアイドルじゃダメだと豪語しています。
この物語は、恋も夢も両方つかみとりたいと願う
あつかましくも純情な乙女
ガリガリの奮闘記です。
いつも明るくて元気な
ガリガリだけど、ヒト並みに悩みもあるようです(どうぶつのくせに)。
雨の日は特に、気圧の関係なのかヒステリックな
ガリガリ。
すこぶる機嫌が悪いです。
こういう時は放置しとくのがいちばん。
さわらぬ
ガリガリにたたりなしです。
次の日も
ガリガリは大きなためいきをついていました。
そこへ現れたのが、現在さんちゃ村住人のお悩み相談窓口である
ロボ。
ガリガリの悩みを自ら聞いてあげるなんて、
ロボもずいぶんと心が広くなったものです。
演技派女優を目指す
ガリガリ。
「また」ということは、わりと頻繁にオーディションを受けている模様。
口ばかりじゃなくちゃんと行動に出ているとは・・・
身の程を知っているのかいないのか、どちらにせよたいした根性です。
「そいつは弱ったな」
この話を聞いて本当に弱ったのは
ロボの方だったに違いありません。
しかし、どんなお悩みにもちゃんと真剣に聞いてあげる優しい
ロボ。
「岩その1」とか「ヤシその2」とかじゃなくて良かったじゃない、
ガリガリ。
「村人その1」だったらまさに
ガリガリの
さんちゃ村での役回りそのままだし
演技派女優ならここらへんで熱演しとくのが相応です。
目立ちたがり根性でダダをこねる
ガリガリ。
ヤダって言っても、
ロボはオーディションの審査員じゃないんだし。
じゃあどんな役なら納得するというのでしょうか。
え?
「おいもカステラ王国のプリンセス」?
色んな意味でお似合いなので、絶句です。
しかし、
ロボは愛のムチとも言える厳しいひとことを言い放ちます。
「何かを手に入れたければ、何かを捨てないといけねぇようになってんだ!」
ヒロインの座を手に入れたかったら、今はプライドを捨てろということです。
サバンナは自分を変えるために村を捨てました。
ララミーは新しい家具のために
じゅんこポンからもらった家具を捨てました。
ビアンカは恋のために友情さえも捨てる女です。
ロボも、今までにいろんなもの捨てて生きて来たのでしょう。
ロボは真剣に、「捨てる勇気」を持つ事を
ガリガリに教えました。
そして、この日を境に
ガリガリは
ロボにほのかな恋心を抱くようになったのでした。
しかし、
ガリガリが
ロボのアドバイスをちゃんと理解したかどうかは甚だ疑問です。